2015年9月に厚生労働省より新たにAGA治療薬として認可された
「ザガーロ」と、すでにAGA治療薬として皮膚科や専門クリニック等で
処方されている「プロペシア」には、どのような違いがあるのでしょうか?
ザガーロは11月20日より発売される予定が、延期となっているようです。
ザガーロのたかい発毛効果と注意すべき副作用を考えてみました。
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ザガーロがプロペシアより優れているのはこれ!
現在AGAの原因は、還元酵素5αリダクターゼの働きにより、
男性ホルモンがDHT(ジヒドロテストステロン)に変換されて
髪の成長を阻害するという説が有力。
5αリダクターゼにはⅠ型とⅡ型があり、脱毛には特にⅡ型5αリダクターゼが
大きく関与しているといわれていますが、Ⅰ型の存在も無視できない。
プロペシアはⅠ型には効かず、Ⅱ型だけに作用する。
それに対し、ザガーロはⅠ型とⅡ型両方に作用するので、
Ⅰ型の影響を大きく受けて脱毛が進んでいる方にはとても効果的。
ザガーロ(0.5mg)とプロペシア(1mg)の比較試験では、
ザガーロの発毛効果が約1.6倍だったという結果がでています。
また、ザガーロは少量でも5αリダクターゼの阻害効果が高いので、
プロペシア1mgの効果をザガーロは10分の1の0.1mgで期待できる。
プロペシアは0.2mgと1mgの2種類。
対してザガーロは0.1mgと0.5mgの2種類が販売予定。
ザガーロとプロペシアの成分の違い!
既存のAGA治療薬プロペシアの成分はフィナステリド。
ザガーロは、前立腺肥大症の治療薬「アボルブ」と同一のデュタステリドという成分。
アボルブはすでに前立腺肥大症の治療薬として、厚生労働省に認可されており、
AGAクリニック等で処方されている。
ですから、商品名は違うものの、前立腺肥大症の治療薬として
認可されているフィナステリドが、AGA治療薬としても認可されただけ。
副作用は?
ザガーロとしてはまだ発売前なので、同成分であるアボルブの添付文書によると、
プロペシアより副作用が起きる確率は高くなります。
プロペシアの添付文書による副作用発現率が4.0%。
アボルブの副作用発現率は10.9%(403例中44例)。
副作用の症例と割合
国内の臨床試験の時点で、調査症例403例中副作用の発症は44例(10.9%)。内容は勃起不全13例(3.2%)、リビドー減退7例(1.7%)、乳房障害6例(1.5%)性欲減退、勃起機能不全(ED)、食欲不振、乳房障害(女性化乳房、乳頭痛、乳房痛、乳房不快感)
また、肝機能障害などの重篤な副作用が起こることもある。
発ガン性に関してはこちら
市販後において、本剤を投与された患者で男性乳癌が報告されている。デュタステリドと男性乳癌の発現との関連性は不明である。なお、 2 ~ 4 年間の海外臨床試験(4325例)において 3 例の乳癌が報告された。このうち、デュタステリドが投与された症例では 2 例(曝露期間10週間、11ヵ月)、プラセボのみが投与された症例では 1 例報告されている。国内臨床試験での報告はない。
白人を主体とした50~75歳の男性8231例(生検により前立腺癌が陰性かつPSA値2.5~10.0ng⁄mL)を対象とした 4 年間の国際共同試験(日本人57例を含む)において、Modified Gleason Score* 8 ~10の前立腺癌の発現率がプラセボ群(0.5%)に対し本剤群(1.0%)において高かった(相対リスク2.06)との報告がある
引用元:アボルブ添付文書
因果関係は判っていないが、プロペシア同様に多少ガンの確率が
高くなるという結果がでています。
AGA治療と発ガン性のうわさが絶えない一因ですが、
タバコの発ガン性に比べればかなり確率が低い。
それよりも健康障害の確率は、プロペシアより2.5倍たかいですから
体の調子を観察しながら使用することが必須。専門医から処方してもらうべきですね。
使用上の注意
プロペシア同様に女性は使用できません。妊娠を予定している場合もNG。
胎児の生殖器形成に異常をきたすことがあります。
ザガーロはカプセル錠なので、有効成分のデュタステリドに
ちょくせつ触れることはないですが、
誤って中身のデュタステリドに触れると、経皮吸収されるため取扱には注意が必要。
最後に!
既存のAGA治療薬プロペシアに比べれば、ザガーロは1.6倍の発毛効果が
得られる分、副作用は2.5倍たかい。
専門医のもとでの治療なら、副作用が高くてもそれに応じた治療が行えるので、
すでに薄毛が進行している方にとっては、1.6倍の発毛効果は魅力ですね。
ただ、ザガーロとプロペシアともに、脱毛の原因酵素5αリダクターゼの
阻害効果しかないので、発毛力をたかめる努力を軽視すると
十分な効果が得られないように思います!
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